大判例

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東京高等裁判所 昭和25年(う)4097号 判決

原判決援用の証拠を綜合すれば、被告人が原判決認定のとおり法定の除外事由がないのに、その生産した小麦二俵を政府以外の者である斎藤国三郎、津吹福次に代金五千二百円で売り渡した事実を肯認することができる。米麦の生産者がこれを販売するに当つては、法定の除外事由がない限り、いわゆる供出完了後においても、食糧管理法規の定めるところに従い、これを政府に売り渡す手続をなすべきものであつて、これを同法規所定の集荷の指定業者ではない他の生産者に委託し、同人をして同人の生産米麦としてこれを政府に売り渡す手続をさせることは、該法規の許さないところである。いわんや本件は、右原判決援用の証拠によれば、被告人がその生産した小麦を政府以外の者に売り渡し、その買受人側において自己の生産麦の超過供出としてこれを政府に売り渡す手続をしたものであるから、その許容すべからざることは、言うまでもない。従つて、原判決には、所論のような事実の誤認又は法令適用の違背は存しない。ただ、原判決は、本件所為につき裁判時における食糧管理法施行規則第三十九条を適用しているが、これは、行為時における同規則第二十一条と同一のものであるから、右は何ら判決に影響を及ぼすものではない。論旨は、いずれも、独自の見解によるものであつて、理由がない。

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